はじめに
職場のスタッフが「ケンタッキーフライドチキンのビスケットが小さくなって残念。」とぼやいておりました。
アタクシが引きこもりはじめる約35年くらい前に食べて感動したケンタッキーのビスケットが、今も販売されているなんて超ロングセラー!

どんだけ昔やねん。あやうくきみまろさんの漫談になるところやで。

久々に食べたくなってしもた。

スコーンみたいな感じなのにビスケットって名前なの?
「ビスケット」はアメリカ南部の食事に出てくる、お菓子というよりも食事の軽食パンみたいな存在らしい。
だからケンタッキーの穴があいていたり、甘いシロップをかけたりする「ビスケット」はアメリカ南部の家庭で食べられてきた元祖ビスケットとはちょっと違うものだそうです。

ビスケットの言葉のイメージが日本と全く違うね。

でも作り方や材料がスコーンに近いのはやっぱりイギリスが起源なのかしら?

今回はビスケットではなく、究極のスコーンを目指します。

ここまでビスケットの解説しておいて、スコーン作るんかい!
結論
ホロホロを実現するために必要なこと

ケンタッキーのはホロホロじゃなくて、表面サクサク、中はしっとりふんわりなんですけど・・・。
アタクシが最終的にたどり着いた究極のぴたんこ究極配合の特徴は、
1. 加える水分に牛乳やヨーグルトをいっさい使わず、すべて卵を使うこと。
2.バターを多めに入れること。
3. 薄力粉の一部を米粉に置き換えること。

コーンスターチでも片栗粉でも澱粉ならなんでもいいんだけどね。米粉が一番割安。
・水分に卵を使うことで、ほろりと崩れるもろい食感になります。
また、内層が黄色みがかった美味しそうな見た目になります。
・さらに米粉を1〜2割加えることで、グルテンの繋がりを弱くして、さらなる食感の軽さを出します。
・また、バターを増やすことで、細かい層を増やし、生地に隙間を作り、食感を軽くします。
作り方

配合
全卵 | 100→95 |
グラニュー糖(上白糖でも可) | 50 |
薄力粉 | 180 |
米粉 | 20 |
ベーキングパウダー | 10 |
バター | 70 |
米粉がなければ無理して入れる必要はありません。薄力粉だけでも十分美味しくできます。その場合は薄力粉を200gにして下さい。
また、ココアのスコーンを作る場合は、米粉20gをココア20gに置き換えてみて下さい。
アタクシの使っている薄力粉(ニップンのこんな小麦粉ほしかった)や卵では、プレーンの場合、全卵95g。ココアの場合、全卵100〜105gくらいがいい感じでした。
もともとの配合表はこっち。
全卵 | 100 |
グラニュー糖(上白糖でも可) | 50 |
薄力粉 | 200 |
ベーキングパウダー | 10 |
バター | 50 |

こっちの方がシンプルでわかりやすい。
P.S. 全卵を100から95に減らして下さい。
準備
材料を揃える前に、夏場はエアコンをつけておいて下さい。全ての材料は冷やしておいて下さい。フードプロセッサーの容器も冷蔵庫に入れといて下さい。ボールもできるだけ冷やしておいて下さい。

冷蔵庫にそんな余裕ないわっ!
天板にシルパンを敷いておいて下さい。シルパンがなくても、シリコーンマットでも、クッキングシートでもできます。
シルパンを使ってスコーンを何度も焼いているうちにアタクシは確信いたしました。cottaのシルパンはスコーンのためにこそあると。

スコーンを作りすぎて脳みそにスコーンバイアスがかかっているようです。
セリアの「シリコーン メッシュシート 」もシルパンの半分サイズですが、同じ機能のシートです。
生地作りスタート
フードプロセッサーに、薄力粉、米粉、ベーキングパウダーを入れて軽くスイッチを入れ、ザッと混ぜます。
または、別のボールに粉類を計量し、ホイッパーでよく混ぜておくというやり方でも構いません。フードプロセッサーで混ざるので振るわなくていいです。
ただし、ココアの生地を作る場合は、ココアのダマはフードプロセッサーで解消しにくいので、必ず目の細かいふるいで振るってからフードプロセッサーにかけて下さい。
粉の中にバターを入れてから、10秒くらいフードプロセッサーを回します。指先でつまんでみて、バターの粒々が「米粒サイズ〜小豆粒サイズ」くらいになればOK。



フードプロセッサーを使うとすんごくラクです。フードプロセッサーがなければブンブンチョッパーでもOK。
手でもできるけど粉の中でバターを細かくする作業がかなり面倒なので、この工程は道具任せにした方がムダな労力と時間を節約できます。
全卵にグラニュー糖を混ぜ溶かします。
卵液を全てフードプロセッサーの中に入れ、瞬発的に一瞬だけスイッチONを5回ほど繰り返し、大雑把に混ざった状態を作ります。
ボールに移し、カードやゴムベラ、または手を使って全体が均一な状態になるまで混ぜます。



P.S. 何度か作っているうちに、フードプロセッサーの中で卵液を混ぜるのではなく、深め大きめのボールに移してから卵液を混ぜたほうが、後でフードプロセッサーの掃除がラクでオススメです。
その場合、深め大きめのボールにフードプロセッサーで混ぜた粉類とバター、全卵を入れたら、ミニゴムベラかスプーンなどでザッと混ぜましょう。
ここが最も難しく神経を使うところ。
ベタつく部分と粉っぽい部分に分かれてしまって、まとまるまで混ぜる捏ねるが過剰になってしまいそうですが、米粉とバター増量の配合にしたことによって、グルテンの生成をある程度阻害するので、
コネコネと生地をまとめていくときの、混ぜすぎたらダメ、練りすぎたらダメという強迫から少し自由になれると思います。
生地全体が、しっかりとまとまって一体化するまでこね混ぜましょう。

手にベタベタくっついて気持ち悪いんですけど。
アタクシは生地がある程度まとまるまでは、ボールを回転させながら、カードを立ててカードの丸い方で何度も押し切るように切り混ぜています。

カードについた生地を時々ゴムベラで落としてね。
カードだけでは完全に混ざらないので最後は手で混ぜましょう。
ひとまとめにしてから押さえて「平たくして、半分に切って重ねて押さえて」を5回ほど繰り返します。

切らなくても、半分に折れば同じことだから、折り重ねるやり方でもOK。
混ぜすぎないこね過ぎないという解説が多いことに影響されすぎて、適当にまとめただけだと形のいびつなスコーンになってしまいます。

いびつなスコーンを作りすぎた反省。


冬ならそのまま行けちゃうけど、今はエアコン入れても部屋が暖かいから生地の表面に密着ラップして冷蔵し、いったん生地を冷やし固めます。
時間がたつとベーキングパウダーが反応して生地が少しずつ膨らんできてしまいます。
冷蔵庫で休ませるのは、15〜30分くらいまでにしておきましょう。
型抜き

型抜きを始めたらオーブンの予熱をスタートしておきましょう。以前は180℃で20分ほど焼いていましたが、最近は200℃15分で焼いています。
強力粉でまな板に打ち粉をします。強力粉が無ければ薄力粉でも米粉でもOK。
麺棒で伸ばす必要はないです。手のひらでテキトーにペチペチしてだいたい2〜3cmの厚みにしましょう。
強力粉を入れた容器の中に、抜き型を入れて粉を付け、生地を抜いていきます。



コップをひっくり返して丸い抜き型の代わりに使う方法もありますが、空気が抜けないし断面が潰れてしまうので理想的な浮き方やくびれが、出にくくなってしまいます。
抜き型も、上を手のひらできっちり塞いでしまうと、空気が抜けずに屁こいたみたいな音が漏れます。

いらん情報紹介すな。
コップで抜くくらいなら、包丁でカットして下さい。断面がスパッと切れている方が断面が綺麗に浮きます。



余りの生地はまとめて転がして手のひらでペシペシして2〜3cmの厚みにして同じように型抜きします。
この2番生地は、最初に抜いた生地よりも、焼いた時の形がいびつになります。
最後の最後に残った生地は丸めてお団子状にしてペシペシして高さを他のスコーンに合わせて焼いてね。
焼き方
塗り卵はしない。めんどくさいから。このひと手間がないだけでずっとラク。

麺棒も使わず、塗り卵もしない。手を抜けるところは徹底して手抜き。
200℃ 15分



サイドにくびれが出来ると、スコーンが上手く出来たっ!って感じる瞬間です。



写真2枚目が2番目に抜いた生地。少し不恰好になってしまいます。
最後に
偉そうに色々語ってきたものの、最初に作ったスコーンが一番まともに出来て、あとは作れば作るほど形が悪くなっていくという蟻地獄にハマってしまいました。

ビギナーズラック。








生地の水分バランスなのか、混ぜ方 まとめ方なのか、折り回数が足りないのか、寝かせている間にベーキングパウダーが反応し始めてしまうから横に広がってしまうのか。

疑問が尽きないわね。
亀裂が入ってしまうのは、単純に生地のまとめ方が足りないと思います。打ち粉をした部分や、生地どうしのつながりが弱い所の隙間が、一見まとまっているようでも、膨張していくと亀裂になってしまうと思います。
グルテンにビビりすぎて「混ぜる捏ねる重ねる」を控えめにしすぎるのも問題な気がします。
また、水分が入りすぎて生地がベタベタしてしまった場合に、粉を足しすぎたり、打ち粉をしすぎたりするのも、隙間ができて生地がまとまらず、亀裂の問題になると思います。
薄力粉の種類による吸水率、卵の種類や季節による水分量の違いなど、全く同じに計量したとしても、ベタついたり、パサついたりします。
スコーンは、後から水分を足しての微調整が難しいので、悩ましいところですが、何度か作ってみて自分なりの答えを見つけて下さい。

おっさんの責任逃れにしか聞こえねーな。

なんや、自分が上手くでけへんから配合調整 視聴者任せかいな。

・・・。
加減がすごく難しいスコーンの生地作りでした。
道具の紹介
ダイソーで買ってきた直径6cmのセルクルリング。(高さは5cm)



ダイソーの直径6cmの丸いセルクルリングはデカすぎてスコーンむきじゃない。焼き上がると火災報知器くらいデカい。

どこで買ったかわからない楕円形の抜き型(6cm×4cm)、この方がサイズが丁度いい。

ダイソーさんかセリアさん、この楕円形の抜き型、復活させてちょ。
抜き型がなくても生地を包丁で四角や三角にカットすればできますので、最初から抜き型を買う必要はないですよ。
スコーンのお供
スコーンといえば絶対に欠かせないのがコレ! というのが「クロテッドクリーム」
しかし需要がないのか片田舎の地元のスーパーを5軒ハシゴしてもどこにも置いてない。

暇人か、おのれは!
そこで、普段決して足を踏み入れることのないセレブな高級スーパーに忍び込み、恐る恐る乳製品コーナーをうろついてみると、そこには!

不審者か、おのれは!!



ありました。セレブ御用達(ごようたし)のクロテッドクリーム。おまけにおフランスかぶれのアタクシにぴったりの「サンダルフォー」と「ボンヌママン」まで揃いました。

グレートブリテン&トリコロール。

何が言いたいねん。
クロテッドクリーム(Clotted Cream)とは、イギリス発祥の伝統的な乳製品で、アフタヌーンティーのスコーンのお供として有名です。
乳脂肪分は60%前後です。乳脂肪分約40%の生クリームや、乳脂肪分約80%のバターの中間的な濃厚さです。 (中沢クロテッドは63%)
バターよりは軽く、生クリームよりは濃厚。この絶妙なバランスが魅力。

アフタヌーンティー。憧れの響き。

バターと生クリーム混ぜりゃええやんけ。

バターに牛乳ちょっと混ぜりゃええやんけ。

そ、そうかしら・・・。

スコーンにはたっぷりのジャムとクロテッドクリームを添えてお召し上がり下さい。

とたいていの場合うたわれているので、アタクシもマネして言ってみましたが、そのまま食って牛乳で流し込んでも充分美味いです。

せっかくリッチな気分に浸っていたのに、台無しにしないでくれる? やっぱり紅茶も用意したいわね。
どうしてもケンタッキーのビスケットに添えられている「ハニーメイプルシロップ」がいい!という方は、メープルシロップとハチミツを混ぜて作ってみてね。

名前からなんとなく想像できてしまう。
ちなみに 写真で紹介した「中沢クロテッドクリーム」は 100g入りです。アタクシの地元のセレブなスーパーで 約500円 くらいでした。
Amazonなんかで1個買うと送料が商品の2倍! 他は8個セット送料込みで5000円以上!みたいな感じ。

これはもう地元のセレブスーパーに行って買って下さい。
クロテッドクリームについて、詳しくは「中沢乳業」のサイトをご覧ください。
「cotta」でも見つけました。cottaの送料は、商品代金の合計が6,600円未満の場合は660円、6,600円〜10,999円までの場合は330円、11,000円以上の場合は無料となります。とのことでございます。

お菓子マニアックなあなた様は、買いたいものを11,000円以上まとめ買いしましょう。なんてね。
P.S. カルディで買ったトルコ産「マルレいちじくジャム」がとても美味しかったので紹介します。
次回もお楽しみに〜。
じゃね〜。