はじめに
アタクシがお菓子つくりをはじめたばかりの頃、今から約四半世紀前のこと。

おっさん、ジュラ紀の化石みたいな表現やめてくれる?
初めて作ったクッキーはたしか、オーブンレンジに付属のレシピだったかな?
そこから始まって、アタクシが初めて買ったお菓子作りの本は、料理研究家の小林カツ代さんの「ケーキ&パイの基本」(1997年刊)
この本がアタクシにとってのお菓子作りの入り口だったのでございます。
この本に触発されて、たくさん作ったバナナケーキ。
徐々にアレンジされて、パウンドケーキの配合でバットで焼くという、小林カツ代さんのスポンジ系バナナケーキとは随分とかけ離れたものになってしまいましたが、ここに自分なりの「思い出のバナナケーキ」を紹介したいと思います。
小林カツ代さんの料理本も当時のアタクシの自炊を支えてくれた思い出の本です。「繰り返すあなたのどうしてうまくいかないの?に小林カツ代が答えます。」(1999年刊)というとんでもなく長いタイトルの本に長年お世話になりました。
うまくできるようになったのは肉じゃがと本の最後の方にちょこっとだけ掲載されていたポテトサラダだけですけどね。

おっさんの思い出話はええから、はよ作り!
パウンドケーキの製法
パウンドケーキはこれまで基本的な作り方の「シュガーバッター法」(柔らかくしたバターに砂糖をすり混ぜてから、卵を乳化させ、最後に粉類を混ぜる製法) で作ってきましたが、バターを柔らかく調整したり、卵を少しづつ乳化させながら混ぜるという作業がとっても大変。

温度調整も、腕の筋肉も、疲れる・・・。
職場の先輩から教えていただいたパウンドケーキの作り方(卵と砂糖と粉類を全部混ぜてから溶かしバターに混ぜる製法)が、とっても簡単で、仕上がりも良くて、前腕の筋肉にも優しいので、最近はこの作り方のアレンジで、溶かしバターの中に他の材料を順番に入れていく製法で作ることが多いです。

めんどくさいよりラクな方がいいわね。

職場にもお菓子マニアがいるんですかい?

準マニアと隠れマニアとそれから・・・。
型の準備
パウンドケーキの型でも出来るけど、今回はバットで作るので、バットにクッキングペーパー、またはわらばん紙を敷きます。
柔らかくしたバターをバットの内側に塗って強力粉を振るという基本的な方法もあるけど、めんどくさいから紙を敷くのがおススメです。

紙を敷くのもめんどくせーわ。


クッキングペーパーやわらばん紙は、バットのサイズより大きめのものを4つ折りにして、ひっくり返したバットの底の中心に4つ折りにした紙の角を合わせて(バットの底の中心に合わせる紙の角は、4つ折りした紙を広げるともともと紙の中心部分です)
バットの側面から1〜2cmくらい紙の高さが出るようにサイズ合わせしてカットし、4方の角に切り込みを入れます(4つ折りの状態で切り込みを入れれば、一太刀で4方の角をいっぺんにカットできます。)
バットで焼くメリットって、紙敷きがパウンド型よりも少しラク。焼き時間が短くなる。高さがあまりないのでカットした後、普段使いのタッパーに入りやすい。

タッパーに入りやすいってメリットなんか初めて聞いたわ。アホちゃうか。

・・・。
配合
バット1枚分(バットのサイズ 底面約15×13cm 上面約19×15cm ×高さ約3cm)
溶かしバター(有塩でOK) | 90 |
全卵 | 100 |
上白糖(グラニュー糖でも可) | 110 |
バナナ(混ぜる直前に潰す) | 125 |
薄力粉 | 100 |
AP(無ければ薄力粉125で) | 25 |
BP | 5 |
シナモンパウダー(無くても可) | 0.5 |

おっ、ぴたんこおじさんが、複雑なレシピを出してきましたね。

パウンドケーキの基本、同割配合でも美味しくできるよ。
薄力粉は今回も”ダマになりにくい”でおなじみの日清製粉「こんな小麦粉欲しかった」を使っています。
バナナについて
バナナはバナナアイスクリームの回でもお伝えしましたが、必ず黒い模様(シュガースポット)の出たものをお使いください。バナナらしい香りがしっかりと出ますので。
作り方
写真には潰した後のバナナの変色防止用にレモン汁が写っていますが、混ぜる直前にバナナを潰せば必要ありません。
2枚目の写真右上にはシュガーバッター法で作った時の、クリーム状に調整したバターが写っていますが、今回はレンジで溶かしバターにしますので無視して下さい。

無視していい写真、載せんなや。



3枚目の写真が、今回の製法。左下に溶かしバター、右下は全卵に砂糖を混ぜた卵液です。
まず、バターを耐熱ガラスボールに入れてラップをし、解凍モードなどの最弱出力で様子を見ながら少しづつ溶かします。熱々にならないように。溶けていればOKです。
粉類(薄力粉、アーモンドパウダー、ベーキングパウダー、シナモンパウダー)はひとまとめにしてストレーナー(ザル)で振るって、振るった後、乾いたホイッパーでグルグル混ぜて均一にしておきます。
砂糖に上白糖を使う場合は、塊になっていることがあるので潰しておきます。なかなか塊が取れない場合は、粉ふるいで使ったストレーナーで、固まった上白糖を通してあげましょう。
混ぜ方
混ぜ方はとっても簡単。すぐできてしまうので、混ぜ始める前にオーブンの予熱を180℃でスタートしておきましょう。
ホイッパーで、軽くほぐした全卵に上白糖を混ぜていきます。 直火か湯煎にあてながらさらに混ぜて温かさを感じない程度に温度を上げます。(常温15〜20℃くらい)
溶かしバターの中に上記の卵液を3分の1くらいずつ混ぜて、見た目のテカテカ感が少しマット(艶消し)な感じになる表面の質感の変化(乳化作用)が感じられたら残りの3分の1、3分の1、と混ぜ込んで下さい。

まあ、乳化をそんなに気にしなくてもすぐに混ざっていってくれるから大丈夫。
追伸:2025/4/9 再度試作し、卵液の全てを一気に溶かしバターの中に入れても簡単に混ざりました。わざわざ律儀に3回に分けて卵液を加えるのは手間を増やすだけなので、やめましょう。
バナナをポテトマッシャーで潰しましょう。マッシャーがない場合はフォークでもすりこぎでも、なんなら手で握りつぶしてもOK。

手で握り潰してOKって初めて聞いたわ。食う気が失せるからやめてんか。

バナナは潰したらすぐに混ぜましょう。変色するので。まあ変色したところでたいして気にならないけどね。

変色するより、手で握りつぶす方が気になるわ!
最後に粉類をまとめてドサっと。ホイッパーで粉気がなくなるまですくい上げるように混ぜてバットに流して下さい。くれぐれも混ぜすぎないでね。
最後の粉合わせはゴムベラを使って混ぜることが多いですが、今回は生地がゆるいために最後までホイッパーひとつでいけるところも楽ちんです。ホイッパーの動かし方はゴムベラの時と同じ。ブラウニーの動画でゴムベラの動かし方、ボールの回し方を参考にしてみてね。1分20秒くらいから混ぜ始めています。
焼き方
バットに流して180℃ 30分 くらいで写真のような表面全体にしっかりと焼き色が付いたら焼き上がり。



紙ごとバットから出して、網の上で冷まします。網がない場合はバットのまま放置しておいても大丈夫。
冷めてからひっくり返して紙をはがし、お好みサイズにカットして下さい。

底面はこんな感じ。真冬は冷めすぎると紙がはがれにくいので、まだほんのり温かいうちに紙をはがして下さいね。

生地をもっと厚めにしたい場合や、足りない場合、バットのサイズが少し合わない時などは、アルミホイルの中に、ちっこいスプーンや陶器の箸置きなどの耐熱性のものを巻き込んでスペースを埋めてあげましょう。

サイズぴったりの耐熱製の何かがあればそれを使ってね。
最後に
バットで簡単お手軽にできるバナナケーキ、いかがでしたか? これからの行楽シーズン、お出かけのお供にぜひ作ってみてね〜。

引きこもりおじさんが憧れる”お出かけのお供”妄想中。

次回もお楽しみに〜。
じゃね〜。
配合は現時点でのもので、新しく作るたびにコロコロ変わります。ご容赦ください。

コロコロ変えんじゃねぇ〜!
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