ホットケーキミックスを使わないホットケーキの作り方

生地

はじめに

おうちでのお菓子作りを最も象徴するお菓子って、いったい何なのでしょうか。アタクシの中で最初に思い浮かぶのはやっぱりホットケーキかしら?ホットケーキは夢のお菓子。小さい頃に「ぐりとぐら」という絵本の中で見た巨大なホットケーキの記憶が、記憶力が衰えたおっさんの脳裏にかすかに残っているのである。

昭和ノスタルジーおじさん。

やかましいわ。

ホットケーキミックスのパッケージ写真のようなきれいなホットケーキを焼くことが当初の目的だったのですが、あまりにうまく焼けないため、そこから脱線して徐々にホットケーキミックスを使わないホットケーキ作りにハマってしまいました。

キレてんの?

キレてないですよ。

ホットケーキミックスと言えばの「森永製菓」の袋の裏に書いてある作り方の「ミックス150g、卵1個、牛乳100cc」を参考にして、ミックスの中身はだいたい小麦粉と砂糖とベーキングパウダーと油脂を合わせて150gだから、小麦粉100g砂糖と植物油脂とベーキングパウダー足して50gくらいかなーなんてテキトーな想像をして、材料を増減させながらあれこれやってきました。そんなこんなでたどりついた以下の配合です。

配合

直径約10cmが約10枚分

全卵200g(全卵4個)
砂糖100g(50~100)
溶かしバター50g
牛乳150g
薄力粉150g
米粉100g
ベーキングパウダー10g
砂糖は上白糖でもグラニュー糖でもなんでもOK。

ココア生地にしたい場合は、薄力粉150gを、薄力粉100g+ココア50gに置きかえる。

なるべくわかりやすい、きりの良い数字に仕上げといたよ。

む・り・や・り!

材料について

ただただ好みの問題ですので、皆さまは使い慣れたもの、又はご家庭にある材料をお使いください。砂糖はグラニュー糖でも上白糖でもなんでもOKです。卵はしょっちゅう違うものを使っています。他の材料もよく変えています。今使っているものを紹介します。

バターはCGCの「ニュージーランド産バター」薄力粉はニップンの「こんな小麦粉ほしかった」この薄力粉はふるわなくても使えるサラサラタイプでとても混ざりやすいです。米粉は業務スーパーで購入したニップンの1kgのもの。ベーキングパウダーはアイコク。あちこちで売ってます。ココアパウダーはニチガの純ココアパウダーPREMIUM500g。牛乳は「サロベツ牛乳」。

※ベーキングパウダーを入れずに作ると、ペタンコのパンケーキみたいな感じになります。
※ヨーグルトを入れるとヨーグルトの酸がベーキングパウダーと反応しふんわりするという情報を見て何度か作ってみましたが、変化は見られませんでした。べーキングパウダーは酸性剤とアルカリ剤の配合バランスにより、速効型、遅効型、持続型があります。ベーキングパウダーの個性による変化の方が大きいと思います。ホットケーキには速攻型に近い配合と思われる「ラムフォード」をおすすめします。ベーキングパウダー

「アイコク」使っとるやんけ。

※マヨネーズは乳化作用がありホットケーキがふんわりするという記事を見て何度も作りました。バターの半量をマヨネーズに置き換えても不思議とマヨネーズの味は全くわかりません。フツーにおいしいホットケーキができます。が、乳化作用は卵黄が持つ作用なので、マヨネーズを入れなくても乳化作用は得られます。だって全卵4個も入れてるもんね。バターが足りない時に植物油脂やマヨネーズを代わりに入れても差し支えありません。が、アタクシの好みではないです。

あんたの好みは聞いてね〜。

作り方

準備

・焼き上がったホットケーキを置くために、まな板やお盆の上にキッチンペーパーを敷いておく。焼き上がった生地の蒸気を吸ってくれます。直接まな板や、お盆に焼き立てのホットケーキをのせていくと、蒸気の水滴がホットケーキの下に溜まってぬれてしまいます。
・フライパンに塗るためのサラダ油とキッチンペーパー。キッチンペーパーは折りたたんで輪ゴムで止めておくと使いやすいです。フライパンがフッ素樹脂加工のツルツルしているものなら油はひかなくてOKです。

・ホットケーキがちょうど隠れるくらいの鍋のフタをかぶせているのは、大きなフライパンに通常のフタをしても空間が広くて、なかなか熱が入らないから。小さいフライパンならフライパン専用のフタで大丈夫。

道具

・オタマ
・フライ返し
・ペティナイフなど先のとがったもの(生地の中心を刺して焼き上がりを確認するために使用)
・タイマー
・直径24cmのボール1つ(全卵を入れてメインで使うボール。ここに他の材料を順番に入れていく。)
・直径20cmのボール1つ(粉を計量して振るうボール)
・28cmのホイッパー1つ

道具のサイズ指定するのやめてくれる?

・・・。


・小さい容器3つ(砂糖と牛乳を測る用。3つのうち1つは陶器などレンジで使える耐熱のものにバターを入れる)
・粉を振るう道具。(ふるい又は目の粗いストレーナーでも可)
・深さのある鍋のフタ。

これがなかなか見つからない。真っ平らな鍋ぶたばかり。

鍋ぶたがひとつ親子丼用の穴あきタイプになっとるやんけ。

他になかったから。使えるからいいでしょ。

計量

茶碗などの耐熱容器にバター50gをはかりラップし、レンジの解凍機能など最も弱いワット数で10秒〜30秒で少しずつ溶かす。バターは温度が上がると激しい沸騰を起こすので必ず耐熱ラップし、少しずつ加熱する。(アタクシのレンジでは解凍機能で1分30秒くらいでした)オススメの耐熱ラップはこちら
ラップ

溶ければOK。レンジが楽なのでレンジでやっていますが湯煎でもOK。その場合はステンレスのボールなどにバターを計量し、70〜80℃くらいのお湯に浮かべておく。

くれぐれもステンレスボールを電子レンジにかけないように。金属はレンジにかけるとスパークして発火、またはレンジが故障する可能性があります。

直径24cmのボールに全卵200g、小さい容器に砂糖 50〜100g、もうひとつの小さい容器に牛乳150g、直径20cmのボールに薄力150g+米粉100g+ベーキングパウダー10gを一緒にして混ぜておく。ベーキングパウダーはヨーグルトのフタのような軽い器ではかってから、粉のボールに最後に入れてグルグル30回以上混ぜておく。

普通の薄力粉を使う場合やココアを混ぜる場合は、ホイッパーで混ぜるだけではダマが取れないのでふるいます。ふるった後もホイッパーでよく混ぜて、粉類が均一に混ざった状態にしておきましょう。)

アタクシはふるう手間がめんどくさいので、普通の薄力粉より少しお高いけど、ふるわなくても使えるダマになりにくいニップンの薄力粉「こんな小麦粉ほしかった」を使っています。米粉はびっくりするくらいもとからサラサラしています。普通の薄力粉を使う場合と、ココアを混ぜる時は、必ずふるってください。ホイッパー でグルグル混ぜてからふるっても、ふるってから混ぜてもOKです。複数種類の粉が入る時は、このようにホイッパーで混ぜて均一に混ぜておくと良いです。

ふるいは普通のストレーナーで充分です。ダイソーで200円で買ったような気がする。ふるいは目の細かいものを使わないといけないとか、2回ふるうとかいうのはプロの世界です。目のあらいストレーナーで充分できます。

薄力粉を計量した上に米粉を直接入れてはかると楽だけど、慣れるまでは別のボールに計量してから薄力粉と一緒にした方が良いかも。どさっと入ってしまうことがあるしね。

アタクシがおうちでよく作るココアの生地の場合はこんな感じでやってます。ストレーナーもセットした状態で、はかりをON。薄力粉と米粉とココアを計量。そして別に計量したベーキングパウダーも上に入れてからホイッパーでぐるぐるやってふるうとラク。ストレーナーをゆらしてふるうより、粉が飛び散りにくいです。

ココアのダマはどうしても残るので、最後は手で押さえてストレーナーを通します。最後の写真のように混ざりきっていない粉を、均一な色になるまでホイッパーでグルグル混ぜてね。

このように上に重ねて計量していくやり方は、計量に慣れるまでは別のボールに1種類ずつ計量してから一緒にした方が良いかもしれません。勢い余ってどさっと入ってしまった場合、どうしても先にはかったものと混ざってしまい、戻すことが困難になってしまうので。

ホットケーキ作りスタート

まず、乾いたホイッパーで、薄力粉と米粉とベーキングパウダーの入ったボールをグルグル混ぜて均一にしておく。30回以上はグルグルしてね。

なんだかまた同じことを言っている気がするぞ。計量した時にぐるぐるやったわ!

ここからがいよいよ本番です。

  • ホイッパーで全卵をほぐす。ホイッパーを左右に振るように往復50回くらい力強くしっかり動かす。
  • 砂糖を加え、ホイッパーで円を描くように、グルグル10回くらい混ぜる。砂糖が飛び散らないようにゆっくり。
  • 再びホイッパーを左右に振るように往復50回くらいしっかり動かす。ホイッパーですくった瞬間、卵白のブリブリ感がなくなり卵黄と一体化していて卵液がスーっと流れる状態であれば良いです。泡立てない混ぜかたです。

泡立てないほうがホットケーキらしく膨らみます。泡立ててスポンジケーキみたくしようとしても
ホットケーキは粉が多いので、結局気泡が潰れてしまいます。もっとフワフワのホットケーキを食べたいなら、粉をすごく少なくして別立てで作る「スフレパンケーキ」というすごく魅力的だけど、すごく難しそうなのがいますのでそれはまたいつか作りましょ。

追記:以下の卵を温める作業はやらなくても出来上がりに支障がありませんでした。この工程は、省いて下さい。やらなくても焼き時間が多少長くなるだけでした。大変申し訳ございません。

ボールをコンロで弱火にかけながら、ホイッパーで混ぜながら、卵液の中に指を入れてほんのり温かみを感じるくらい。温度計で計ったら33℃でした。あまり神経質にならず、ほんのりぬるめでOK。卵が冷蔵庫から出したてだと、牛乳も冷えているので、冷たい生地になり火が入りにくいです。

追記:上記の卵の温め作業を省略して先に進みましょう。ほんとーにごめんなさい。

  • 溶かしバターを加えて混ぜる。
  • 牛乳を加えて混ぜる。
  • 粉をだいたい半分加えて、ゆっくりグルグル30回ほど混ぜる。
  • 残り半分の粉も全て加えて、同じようにゆっくり混ぜる。粉っぽさがなくなるまで混ぜます。ワイヤーが多いホイッパーで混ぜると、粉混ぜの後半にホイッパーの中に生地が溜まってしまうので、時々ボールのふちに打ちつけて、中に溜まった生地を外に出しながら混ぜて下さい。

理想はなるべく混ぜる回数が少ないこと。ダマダマが残っている状態はよろしくないけど、粉がほとんど混ざっているのにいつまでもグルグルしていると、歯切れの悪いゴムのような食感のホットケーキになってしまいます。特に普通の薄力粉は。ぐるぐるグルテン恐るべし・・・。

焼き方

フライパンを中火で2〜3分くらい加熱して、指先につけた水を飛ばしてみて、ジュッと素早く蒸発するくらいになったら、準備OK。鉄のフライパンは油を薄くひいて下さい。フッ素樹脂加工のフライパンなら油を引かなくてOK。

油を引いた場合、新しいキッチンペーパーで拭き取るくらいがちょうどいいです。油がしっかり引いてあると焼き面に白い斑点模様が出やすい気がする。火力が強くても斑点模様が出やすい気がする。

おっさん、テキトーなこと言うたらアカンで。

フライパンを加熱したあと、「濡れ布巾の上でジュッと冷ます」という解説がやたら多いですが、フライパンの温度が冷めすぎてもなかなかうまく焼き上がらないので、火を止めるだけで良いと思う。

ただ単に濡れぶきんを用意するのがめんどくさいだけじゃないのか。

生地をフライパンに適量落とす。慣れないうちは火を止めてから生地を落とし、フタをしてタイマーをセットしてから再び火をつけたほうが慌てずにできます。フライパンに生地を落としたあと形がゆがんでしまったらゴムベラの先で形を整えて下さい。

ゆがんでもフタからはみ出なきゃええやんけ。

すぐに鍋のフタをかぶせて、1分にセットしたタイマーをポチッとな。さて、ここからが運命のお祈りの時間です。何度やってもなかなか思い通りの焼き色にならないアタクシのフライパン。

フライパンのせいにしましたね。ティファールさんに謝りなさい。

タイマーがピコピコ。表面に小さな気泡が2つ3つと現れ始めたところでフライ返しを生地の下にすべり込ませてひっくり返す。どうしても焼き色が心配なあなたは、はじっこを少しだけ持ち上げて焼き色をのぞき込んで確認してね。

この”小さな気泡”がいくつか現れた状態が重要です。底面がいい感じに焼き上がっているサインです。

ひっくり返したら、再び鍋のフタをかぶせて、1分にセットしたタイマーをポチッとな。

森永さんのは表3分、裏2分なのに、ずいぶんと時短じゃないかっ、大丈夫なのか?

・焼き時間を片面1分ずつと紹介しましたが、弱火で焼くと片面1分30秒〜2分くらいかかります。そのくらいかけて弱火でじっくり焼いた方が、慌ただしくなくて、焼き色の変化もゆっくりなので焦がしにくくて良いと思います。白い斑点模様も出にくいです。

はじめからそう言いなさいよっ!

両面焼いて、タイマーがなったら、ペティナイフなどの先のとがったやつで一番膨らんでいるところをぶすり、そしてちょっと開いて中をのぞいてみる。

ネイルチップでぶっ刺してもいいですか?

ダメに決まっとるがな!食べ物に指突っ込むんじゃないっ!

だってさっき卵に指つっ込んで温度確かめてたじゃん。

・・・。


生焼けならもう少しフタをして待つ。焼けたらキッチンペーパーの上に出す。

この焼き加減が一番難しいです。火力が強いと表面ばかりが焼けすぎて、中身が生のままになります。火力を調整したり、時間を調整しながら焼いてください。また生地をフライパンに厚めに盛ると火が入りにくいです。薄すぎてもパンケーキみたいになってしまいます。ちょうどいいってむずかしい。そして、ココアの生地。これがまた焼き色がようわからん。ほんの少しの色味の違いを見分けられるように、先に白い生地で修行を重ねましょう。

修行て、めんどくせーわ。

・ホットケーキはラップで包んで冷凍しておけばいつでも食べられます。かちこちにかたまったホットケーキはラップに包んだままレンジで30秒くらい温めてみて。

道具について

・使ったばかりのフライパンをすぐ洗うのはやめましょう。お湯を使ったとしても熱々のフライパンをす洗うのはダメです。人肌温度になるまで常温放置してから洗いましょう。どんなに素晴らしいコーティングを施したフライパンでも、金属の収縮で表面の加工が弱ってしまいます。
・フライ返しはセリアのワイドターナーを使っています。スリットのない一枚板形状なので洗いやすいです。

最後に

・焼く前の生地の固さは、ボトッボトッと時間をかけながら落ちる感じのもったり感です。トロトロ流れる感じではありません。薄力粉は種類によって「吸水率」という水分をどのくらい吸収するのかという違いがあります。1gも間違えずに計量しているのに前回と生地のゆるさが違うのは小麦粉の種類を変えたからかもしれません。卵も季節や種類で水分量が変わるそうです。生地がゆるすぎたら牛乳を減らす、硬すぎたら増やす。そんな感じで次回作るときは牛乳を5〜10g増減させてみてください。


・米粉を加えるのは食感が軽くなるからです。薄力粉だけで作るよりも柔らかな歯応えになります。薄力粉や強力粉などの小麦粉は、グルテンというタンパク質が網目状につながり、ゴムのような弾力性を発揮して食感に影響します。薄力粉を減らし米粉に置き換えたぶん歯切れが軽くなります。

食べるときにジャムやらシロップやらをたっぷり付けて食べるから、ホットケーキの砂糖を減らしたいんだけど。

ケーキ作りの砂糖の役割は甘さだけじゃないからあんまり減らして欲しくはないんだけど。100gのところ50gまでなら減らすことを許可します。

きょか?な・に・さ・ま?

まあ実際は全部減らしてもできるけど、あんまり減らしすぎると甘々シロップかけたところで寝ぼけた味わいになってしまうしパサついてしまう。バランスというものがあるのです。まあ、冷凍保存できるらパサつき問題は大丈夫だけどね。
・ベーキングパウダーは、水分が加わった状態で、常温から徐々に作用し始めますので、出来上がった生地はすぐに焼くようにしてください。放置しないでね。


・ホットケーキミックスの作り方とはだいぶ違う焼きかた、焼き時間での紹介でした。第1弾のお菓子作りが何やらとてつもなく小難しく、ハードルが高いものになってしまったような気がして・・・。やっぱり最初はホットケーキミックスを使ったフツーのホットケーキからスタートしたほうが良かったかも・・・。反省・・・したフリ。でもおうちでのお菓子作りのアイデアがたくさん紹介できたのではないかと思います。ホットケーキミックスの仕上がりにはまだまだ及びませんが、この過程を楽しみながら続けていきたいと思います。

次回もお楽しみに〜。じゃね〜。

2022/12/28 追記
この真冬の寒い日に、冷蔵庫から出したての材料で、グラニュー糖を加えた全卵を温めずに、作ってみました。全く問題なく作れました。温める工程なしでいいよ。ほんと、ごめんなさい。

ずこ〜。

ただ、焼き時間が、片面2分くらいとホットケーキミックスで表示されている時間くらい長くなりました。出来上がった生地の温度や、季節による外気の温度、フライパンの温度などで、焼き時間は変わりますが、注意すべきポイントは同じです。気泡がぷつぷつ上がってきたところで最初の裏返し。最後に真ん中の火通りを確認して、中心まで生地に火が入る前に焦げそうなら、火を弱めて追加で加熱するなど調整して仕上げて下さい。

2023.10.5追記
ティファールのフライパンで持ち手が取れない固定タイプのものを2つ購入しました。今使っているティファールのフライパンの半分くらいの重さ。軽い!!それで早速ホットケーキ作ってみたら、油塗らなくていいし断然ラク。もう前のフライパンには戻れません。

同じティファールやないかいっ。

とっとと新しいフライパンに変えた方がストレスなく作れていいですよ〜。


※このフライパンはIHに対応していません。

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