出会い
今回ご紹介させていただく「鍋」はアタクシにとって最も思い入れの深い道具です。
アタクシがまだ東京で暮らしていた若かりし頃、初めての一人暮らしをしていた頃、食事はコンビニ弁当レンジでチン時代。自炊をせねばと思い立って最初に買った道具、それが「包丁」「まな板」「鍋」でした。

ひきこもりがなぜ東京で一人暮らしをするハメになったのか。その経緯はまたいつか。お楽しみに〜。って全然楽しい話じゃないけどね。

そんな時代もあ〜たねと〜、いつか話せる日がくるわ〜♪
東京で知り合った方から、「多慶屋(たけや)」というディスカウントショップが安いよ、紫色の建物だからすぐ分かるよと教えていただき、東京23区の地図を握りしめ原付にまたがって上野の近く御徒町まで走った1990年代の夏、だったかどうか・・。

スマホがない時代、地図がないと迷子になる不安がいつもありました。
聞いてはいたけど、周囲の景色から浮いたすみれ色の建物群があり、どこに入っていいものやら・・。
店内を歩き回り、ようやく見つけた調理器具売り場。そこで出会った鍋と、その後25年近いおつき合いになるなんて。そしてその鍋が、おうちで作るカスタードクリーム作りに欠かせない鍋になるなんて、なんだか不思議なものです。
とにもかくにもビギナーズラック。たまたま手にした最初の調理器具が、最高のものだった幸運なアタクシ。



必要以上にムダな凹凸がない曲線美のデザインがとても洗いやすい。汚れもつきにくい。
底面の角も丸みを帯びているので、カスタードクリームを炊くときに、ホイッパーのワイヤーが上手くあたって焦げ付きにくい。
この鍋の正体は?
今になってどこのメーカーのものなのか気になり、調べてみようと思ったけど、メーカー名などはどこにも無く、鍋底に18-10+鉄+18-1C 18cm1.9ℓという刻印があるのみ。
Amazonで鍋を片っ端から調べていたら、フタのつまみ部分のデザインは変わっていたけど、見た目のそっくりさで、すぐにビビビッときた鍋を発見!
「宮﨑製作所」 オブジェ 片手鍋 18cm ソースパン「Objet(オブジェ)」というシリーズで、なんと5年保証付き。

アタクシは25年使ってるよ〜。そのうち四半世紀保証とかになりそう。

「ジオ」シリーズは、なんと15年保証ですよ!

十得鍋シリーズは保証期間を設けない「ずっとケア」ですよ。

冗談で言ってみたんだけど、すごいね。
「 Objet(オブジェ)」は1982年から現在まで続くロングセラーシリーズです。
宮﨑製作所は、日本有数の金属加工工業の集まる新潟県燕市に1960年に誕生した老舗です。
長年愛用した鍋は愛着が湧いてなかなか手放せないと思うのですが、この会社に修理を依頼した方の感動のレビューが宮﨑製作所の公式ウェブサイトに紹介されていますが、アタクシと同じように、この鍋この会社のファンがたくさんいらっしゃいます。ずっと繁栄し続けてほしい企業です。
カスタードクリームを炊く時、安くて薄い鍋だと、火が当たっている所だけが急激に熱くなり焦げてしまいます。

もちろんどんな鍋を使ったとしても、混ぜないでずっと火にかけていたら焦げてしまいますよ。
お菓子屋さんは銅製のボールを使うことが多いですが、それは熱伝導が良く、全体がムラなく均一に熱くなり、焦げにくいという特徴があるから。
ただ銅製のボールは、高価だし、重いし、底が丸いからコンロの五徳の上で安定しないし、使う前に毎回 酢と塩で磨いて酸化銅をとらないと使えないし、家庭で使うにはかなり無理があります。
そんな中、家庭で使える普通の鍋の中で、このオブジェシリーズなら多層構造で熱の伝わりも良くて、自信を持ってオススメできる。
というかこの鍋に惚れすぎて、この鍋以外にカスタードクリームを炊く鍋でオススメできるものは、今のところ見当たりません。

他のメーカーさんの鍋を切り捨てましたね。

うん、バッサリと。
何より、底の角が丸くて、カスタードクリームを炊く時にホイッパーのワイヤーがちゃんと角にあたるし、炊き上がったカスタードクリームをバットに移す時もゴムベラではらいやすい。

角(カド)が角(カク)張っていると、ホイッパーのワイヤーが当たらないから焦げやすいのです。
ようやく自分の使ってきたお鍋の正体がわかり、その実力はやっぱり本物だったのね、となんだか妙に嬉しくなりました。
宮﨑製作所の職人さんに感謝しながら、これからもおいしいカスタードクリームをこのお鍋で炊き続けたいと思います。

今度は一度にたくさんのカスタードクリームを作るために直径20cmが欲しいよ〜!
そして素晴らしい品揃えの「多慶屋(たけや)」さんにも感謝を込めて。

なんとその時に買った包丁、今も現役ですよ〜。

そんな商品扱ってたら、販売店も製造元も儲からんのちゃいまっか?

いらん心配すな。
では次回の道具シリーズもお楽しみに〜。
11月6日 追記
よくよく調べたら、以下のシリーズがアタクシの鍋により近い鍋でした。
メーカーはやっぱり宮﨑製作所で「ソースパン シルバー 18cm Spirit 」というものです。
でも18cmは在庫切れになっていました。ということでやはりObjet(オブジェ)シリーズをお買い求めください。
片手の取手付きソースパンは14cm、16cm、18cm、20cmと直径サイズだけで見ると4種類あります。
14cm、16cmに「ミニ」の表記があるものは同じ直径でも背が低い鍋です。
カスタードクリームを炊く鍋はそれなりの高さ深さがあった方が良いので、「ミニ」ではない方を選んだ方が無難です。
「ミニ」ではない方を選んだとしても、直径14cm、16cmはやっぱり小さいので、アタクシ的には選択外です。
初めて買うなら直径18cmか20cmがオススメです。
2023.11.23.追記:ついに直径20cm「オブジェ」購入してしまいました。



25年以上使い続けた宮崎製作所の直径18cmの鍋と新旧並べてみました。
右側の古い鍋が全然見劣りしていないところがすごいです。四半世紀ぶりの購入。なんだか感慨深いです。
ではまた次回もお楽しみに、じゃね〜。
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