生クリームがなくても「なめらかプリン」はできるの?
さあ、いよいよプリン作りも佳境に入ってまいりました。みなさんお待ちかね、「至福のなめらかプリン」のお時間です。今回はついにオーブンを使って作ります。一般的な「なめらかプリン」は、生クリームが配合されていますが、実は生クリームがなくても、最高に美味しいなめらかプリンは作れます。答えを先に言ってしまうと、卵黄の比率を上げるだけです。

卵黄の力!!

ほんまかいな。

えっ!?そんなに単純なことなの?じゃあ生クリームを使う意味って何?

生クリームの乳脂肪によるクリーミィーさが増します。
今回は、「生クリームを使わないなめらかプリン」と「生クリームを使ったなめらかプリン」の両方をお伝えします。両方の配合を見比べて、さらに前回の「ベーシックなプリン」の配合と比べても、そんなに大した違いはないことに驚かれると思います。
単純に、前回の「ベーシックなプリン」の配合をちょっと変えているだけ。それだけで全く表情の異なるプリンができてしまうのです。

信じられないわっ。

早く食べたいな〜。
配合表 ① 「生クリームを使わないなめらかプリン」
前回の「ベーシックなプリン」の配合と卵全体の量は変わっていません。「牛乳:卵」の比率も同じ、「3:1」です。
プリン型 (100g入る型) | 4個分 | 8個分 | 12個分 |
牛乳 | 300g | 600g | 900g |
全卵 (牛乳の3分1) | 100g | 200g | 300g |
砂糖 (牛乳+全卵の15%) | 60g | 120g | 180g |
プリン型 (100g入る型) | 4個分 | 8個分 | 12個分 |
牛乳 | 300g | 600g | 900g |
卵黄 (卵全体の3分2) | 67g | 133g | 200g |
卵白 (卵全体の3分の1) | 33g | 67g | 100g |
砂糖 (牛乳+卵の15%) | 60g | 120g | 180g |
違うところは、「卵黄と卵白の比率」だけ。ふつう卵は、卵黄よりも卵白の方が1.5〜2倍くらい多いです。その割合をひっくり返して、「卵黄:卵白」を「2:1」にします。するとあら不思議。劇的になめらかなプリンに仕上がります。もちろん全て卵黄にしてしまっても大丈夫。最終回に卵の配合が全て卵黄のレシピも紹介します。
配合表 ② 「生クリームを使ったなめらかプリン」
次に、生クリームを使わない配合と、使った配合の違いを見て下さい。牛乳の一部が生クリームに置き換わっただけです。
プリン型 (100g入る型) | 4個分 | 8個分 | 12個分 |
牛乳 | 300g | 600g | 900g |
卵黄 (卵全体の3分2) | 67g | 133g | 200g |
卵白 (卵全体の3分の1) | 33g | 67g | 100g |
砂糖 (牛乳+卵の15%) | 60g | 120g | 180g |
プリン型 (100g入る型) | 4個分 | 8個分 | 12個分 |
牛乳 | 200g | 400g | 600g |
生クリーム35% (牛乳の3分の1 置換え) | 100g | 200g | 300g |
卵黄 (卵全体の3分2) | 67g | 133g | 200g |
卵白 (卵全体の3分の1) | 33g | 67g | 100g |
砂糖 (牛乳+卵の15%) | 60g | 120g | 180g |
今回の配合表は、牛乳の3分の1を生クリームに置き換えていますが、4分の1でも5分の1でもかまいません。生クリームは35%を使っていますが45%でもかまいません。
ちなみに牛乳よりも生クリームの量を増やし、卵の全てを卵黄にするとクレームブリュレの配合になります。なめらかプリンの先にクレームブリュレが待っている〜!贅沢の極み!!

アメリ!アメリ!
準備
まずは、第3回を参考に、キャラメルをプリン型にセット。そして、プリン作りに必要なすべての道具をそろえます。コーヒーサーバー(なければオタマやヤカンで。第4回)ストレーナーなどのこし器。(粉ふるいでも代用できます)水スプレー(第5回を見てね)湯煎をはる大きめの耐熱容器(今回はダイソーのアルミ製のバットを使用)プリン型の口を塞ぐアルミホイル(オーブンで作る場合は耐熱ラップだと熱に負けてしまうので)
作り方
・プリン型4個分の配合なら、直径約20cmのボールに約24cmのホイッパーが使いやすいです。
・プリン型8個分、又は12個分の配合なら、直径約24cmのボールに約28cmのホイッパーが使いやすいです。
1. ケトルのスイッチを入れてお湯を沸かしておきます。湯専用の容器が大きいとかなり入ります。充分な量が必要です。
2. 鍋に牛乳(生クリームを使う場合は一緒に)、直径約20〜24cmのボールに卵、小さい容器にグラニュー糖を計量します。卵は冷蔵庫から出したての冷え冷えな状態でもOK。
3. 牛乳に砂糖の半量を目分量で入れてホイッパーで混ぜます。(目分量=目で見ただけで、だいたいの分量をはかること。なんとなく半分でOK)
4. 牛乳を中火にかけます。グラニュー糖が下にたまって溶けにくいので、泡が立たないようにホイッパーでゆっくり混ぜます。牛乳が沸騰しない程度にしっかり温めます。鍋のフチに気泡がポツポツと出始めたらだいたいOK。温度計がある場合は80℃くらいです。

5. 卵をホイッパーでほぐします。ホイッパーを左右に振るように往復50回くらい力強くしっかり動かします。
6. 残り半量のグラニュー糖を加え、ホイッパーで円を描くようにグルグル20回くらい混ぜる。グラニュー糖が飛び散らないようにゆっくり。
7. 再びホイッパーを左右に振るように往復50回くらい力強くしっかり動かす。ホイッパーですくって持ち上げると、卵白のブリブリ感がなくなって卵黄と一体化し、卵液がスーっとひとすじに流れる状態。泡立てない混ぜかたです。
8. ホイッパーでボールの卵を混ぜながら、温めた牛乳(約80℃)を注ぐ。卵のボールの下に濡れ布巾をしいて、ボールが動きにくい状態にするとやりやすいです。

このへんで、オーブンの予熱を150℃でスタートしておこう!
9. 牛乳を注いでカラになった鍋の上に、こし器をセットしてプリン液を漉し入れます。
10.コーヒーサーバーに移す。こぼれやすいので慎重に。慣れないうちは、こぼれてもいいように「9.」で使い終わって空になったボールを下に置いて、その上で鍋からコーヒーサーバーに移すと良いと思います。
11.泡消し水スプレー、発射!
12.プリン型に注ぐ。 まだ泡が気になる場合は、ここで最後の水スプレー発射!
13.湯煎用のバット(ここではダイソーのアルミ製のバットを使っています)を、天板(オーブン用の黒い鉄板)にのせ、ケトルで沸かした熱湯と給湯器のお湯を足してバットの中に注ぎます。プリン型を並べていくと水位が上がるので、バットの高さの半分くらいまではればOKです。
ケトルで沸かした熱湯1Lに、給湯器からの40℃くらいのお湯を半分(500ml)足すと、ちょうど 60〜70℃ の湯煎になります。

プリンをオーブンで焼く時は、湯煎から飛び出している上部分に熱が強くあたり、固くなったり「す」が入ったりしやすいので、できればプリン液の高さ近くまでお湯をはってプリン型が首までお湯につかった状態が理想的です。

オーブンの温度設定、100℃で焼けばいいじゃん。

オーブンの熱がお湯に伝わって、お湯の熱がプリンに伝わって、プリンが固まるのにすごく時間がかかっちゃうよ。
14.プリン型を湯煎の容器に並べ、アルミ箔でおおって、150℃のオーブンで35分タイマーセット。プリン型が小さい場合は加熱時間が短くなるので早めに様子を見て下さい。


アルミ箔をこんな細切れにしなくても1枚でいいと思うぞ!


コンベクションタイプのオーブンはアルミ箔が飛ばないように重しをのせて。コンベクション(convection)は「対流」の意。熱風が循環するオーブンのことを言います。

いろいろなレシピを見比べたら130℃から170℃くらいまで焼く温度に幅があります。時間もまちまち。間をとって150℃約30分というのをひとつの目安にして調整してね。
15.タイマーが鳴ったら、プリン型を、そっと傾けてみる。
斜めにして表面がたわんでこぼれそうなら追加加熱、約5分〜。または、そっと揺らしてみて表面の揺れ具合で見極める。たっぷんたっぷん揺れるようではまだ早いです。表面がピーンと張っていて、あまり動かないようなら出してしまってOK。振動を加えるとゼリーの表面のような波打ち方で、ビ~ンと震える感じです。

たっぷんたっぷんはダメで、ピーンでビ〜ンはOK?
湯煎たっぷりの天板を引き出す作業はとても危険です。火傷しないように炊事用手袋の上からミトンをつける。安定した置き場所の確保。プリン型を全て出してから湯煎用のバットを移動するなど細心の注意を払ってね!
プリンを出す場所に布巾をしいておくと良いです。下の写真は、湯煎用のバットとは別の浅いバットに布巾をしいて使っています。

16.追加過熱後、固まらないようなら再度、追加過熱。できたものから取り出して行きましょう。
17.オーブンから出して完全に冷めたら冷蔵庫に入れてしっかり冷やします。表面が乾燥しないように、また、冷蔵庫臭が移らないように、プリン型の口をラップでふさいでおくか、専用のフタがあればかぶせて下さい。また、大きめのタッパーやバットに並べて冷蔵庫に入れると出し入れしやすいです。
まとめ
冷めると、熱膨張したプリンが収縮し表面がへこみます。卵のタンパク質が熱凝固し、プリンの形を支える骨格になっていますが、食感のなめらかさを追求するために卵、特に骨格としての強度が強い卵白を多めに減らしているので、下の写真のように亀裂が入ったり、型との間に隙間ができたりします。



食感を追求するあまり、見た目が犠牲に・・・。


遊ぶんじゃない。
加熱次第で、なめらかさや食感の違い、固まり具合が変わるので、配合をどれだけいじったとしても、結局は最後の「加熱加減命」なところがプリンの難しいところでもあり面白いところでもあります。
さて、「至福のなめらかプリン」いかがだったでしょうか?牛乳と生クリームと卵の配合比率を変化させて、自分好みの固さ、なめらかさのプリンを作ってみてね〜。
今回の写真に写っている種類の違うカップ12個分の配合は(大きいカップが混ざっているので実際は13個分) 牛乳800生クリーム200(35%1パック)卵黄222卵白111グラニュー糖200 という牛乳の5分の1を生クリームに置き換えた配合で作りました。
一度グラニュー糖の計量を間違えて、甘さの足りないプリンが出来上がりましたが、帰省していた兄弟家族にはとても好評でしたので、グラニュー糖は、牛乳(+生クリーム)+卵 の15% としてきましたが、10%〜15%にしようと思った次第です。甘さ控えめがいいという方は10%を採用して下さい。

おっさん甘いもん食いすぎて感覚バカになっとんちゃうか?グラニュー糖10%の方が美味いやんけ。
というわけで配合表が再び登場。今度は砂糖を牛乳(+生クリーム)+卵の10%にしてみました。
プリン型 (100g入る型) | 4個分 | 8個分 | 12個分 |
牛乳 | 300g | 600g | 900g |
卵黄 (卵全体の3分2) | 67g | 133g | 200g |
卵白 (卵全体の3分の1) | 33g | 67g | 100g |
砂糖 (牛乳+卵の10%) | 40g | 80g | 120g |
プリン型 (100g入る型) | 4個分 | 8個分 | 12個分 | 写真の12個分 (約13個分) |
牛乳 | 200g | 400g | 600g | 800g |
生クリーム35% (牛乳の3分の1 置換え) | 100g | 200g | 300g | 200g (牛乳の5分の1置換え) |
卵黄 (卵全体の3分2) | 67g | 133g | 200g | 222g |
卵白 (卵全体の3分の1) | 33g | 67g | 100g | 111g |
砂糖 (牛乳+卵の10%) | 40g | 80g | 120g | 133g |
上記のレシピだと牛乳800生クリーム200卵黄222卵白111の合計1333gの15%はグラニュー糖約200gだけど、10%は133gです。わかりやすく100gでもいけるかも。

100g=7.5% 15%の半分やないかいっ!

自由に変えていいのだ。配合は爆発だ〜!!

昭和の名言でごまかすんじゃない。
以上、終わり。
次回、第10回は、「ひみつのお知らせ」です。お楽しみに〜
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