完璧な「なめらかプリン」を作るための全10回シリーズ 第8回「ベーシックなプリンの基本配合」

プリン・カスター

はじめに

今回紹介する「ベーシックなプリン」の基本配合の延長線上に「なめらかなプリン」の配合が存在するので、昔懐かしいだけの食感かためのプリンは嫌いという方も、読み飛ばさずにお付き合いいただければと思います。今回は、お手軽さを優先し、鍋での作り方で紹介します。

準備

まずは、第3回を参考に、キャラメルをプリン型にセット。そして、プリン作りに必要なすべての道具をそろえます。コーヒーサーバー(なければオタマやヤカンで。第4回)ストレーナーなどのこし器。(粉ふるいでも代用できます)水スプレー(第5回を見てね)鍋、万能蒸し器と鍋底に置く底上げの台(第6回を参考に)お湯をわかすケトルや耐熱ラップ(今回の用途ならラップの耐熱温度は110℃あれば大丈夫です)

基本的な配合比率

プリンは牛乳と卵の比率を変えるだけで自由に自分好みの固さのプリンを作ることができます。まずは、この配合を基準にしてね。

プリン型
(ミルク缶型)
4個分8個分12個分
牛乳300g600g900g
全卵
(牛乳の3分1)
100g200g300g
砂糖
(牛乳+全卵の15%)
60g120g180g
ミルク缶型とは、トップ画像にのせた牧場の牛乳容器を模した陶器製のプリン型のことです。

全卵は、牛乳の3分の1。牛乳:全卵が3:1です。砂糖は、牛乳+全卵の15%

型ぬきプリンにしたい場合は、小さめ浅めのプリン型ならこの配合でも形になりますが、大きめ深めの型の場合は、牛乳:全卵を2:1にしてください。卵の比率が高くなるので、食感は少し硬くなってしまいます。

形を保つためには致し方あるまい。

牛乳:全卵が、1:1という配合を見たことがあるけど、その硬さは、もはやヨウカン・・・。

好みの問題でしょ。みんながみんな柔らかなめらか好きじゃないよ。

自分が使うプリン型に水を入れてみて何g入るのか計ってみよう。アタクシが今回使っているミルク缶型は約100g入るので、牛乳+全卵=400gなら4個分だなとわかります。(蒸発したり、ボールなどの器具に付いたぶんなどで少し減るので、砂糖を計算に入れずに、牛乳+卵で考えてOKです)

上記の配合比率と、型の容量がわかっていれば、卵の量に合わせて作ることも、プリン型の数に合わせて作ることもできます。

作り方

・配合表のプリン型4個分の配合なら、直径20cmのボールに24cmのホイッパーが作りやすいです。プリン型8個分の配合なら、直径24cmのボールに28cmのホイッパーが作りやすいです。

1. ケトルのスイッチを入れてお湯を沸かしておきます。

2. 鍋に牛乳、ボールに卵、小さい容器に砂糖を計量します。

3. 牛乳に砂糖の半量(目分量)を入れてホイッパー で混ぜます。(目分量=目で見ただけで、だいたいの分量をはかること。なんとなく半分でOK)

4. 牛乳を中火にかけます。砂糖が下にたまって溶けにくいので軽く混ぜておきます。(泡が立たないようにホイッパーでゆっくり混ぜます。)牛乳が沸騰しないように、鍋のフチに気泡がポツポツと出始めたらOK。温度計がある場合はだいたい80℃くらいに温めます。

砂糖を混ぜる時、ホイッパーでカシャカシャ混ぜてしまうと、気泡がたくさん出てわかりにくい。

5. 全卵をホイッパーでほぐします。ホイッパーを左右に振るように往復50回くらい力強くしっかり動かして、泡立てない混ぜ方です。

6. 牛乳に加えた後の残り半量のグラニュー糖をほぐした全卵に加え、ホイッパーで円を描くようにグルグル20回くらい混ぜる。グラニュー糖が飛び散らないようにゆっくりと。

7. 再びホイッパーを左右に振るように往復50回くらい力強くしっかり動かす。ホイッパーですくった瞬間、卵白のブリブリ感がなくなって卵黄と一体化し、卵液がスーっと流れる状態。ここも泡立てない混ぜかたです。

8. 温めた牛乳(約80℃)を全卵のボールに混ぜながら注ぐ。全卵のボールの下に濡れ布巾をしいて、ボールが動きにくい状態にするとやりやすいです。

9. 牛乳を注いでカラになった鍋の上に、こし器をセットしてプリン液をこし戻す。

10.コーヒーサーバーに移す。こぼれやすいので慎重に。初めてで慣れない場合は、こぼれてもいいように使い終わって空になったボールを下に置いて、 その上で鍋からコーヒーサーバーに移してみましょう。

左手に鍋、右手にサーバー。失敗すると、こぼれたぶんだけプリンが減る、緊張の一瞬。

頑張れ、おうち大道芸!

11.泡消し水スプレー、発射!

12.プリン型に注ぐ。まだ泡が気になる場合は、ここで最後の水スプレー発射!

13.ケトルで沸かしたお湯を、万能蒸し器をセットした加熱用のデカい鍋に注ぐ。(鍋底に2〜3cmはればOK)

14.プリン型を並べ、ラップでプリン型の口を覆って鍋のフタをして、ごく弱火にし20分タイマーをセット。プリン型は、小さいものだと、加熱時間も半分くらいになります。10〜15分くらいで様子を見て下さい。

15.タイマーが鳴ったら、プリン型を、そっと傾けてみる。斜めにして表面がたわんでこぼれそうなら追加加熱、約5分。またはそっと揺らしてみて表面の揺れ具合で見極める。たっぷんたっぷん揺れるようではまだ早いです。表面がピーンと張っていて、あまり動かないようなら出してしまってOK。(火傷に注意して、炊事用手袋などをお使い下さい。また、プリンを出すところに、布巾をしいておくと良いです)

16.追加過熱後、固まらないようなら再度、追加過熱。

追加加熱の微調整がいちばん難しい!ここがおうちプリン作りの全集中するところ!

すべて同じタイミングで固まらないので、できたものから取り出していきましょう。

17.あら熱が取れたら冷蔵庫に入れてしっかり冷やす。

大きめのタッパーやバットに並べて冷蔵庫に入れると出し入れしやすいです。表面が乾燥しないようにプリン型の口をラップでふさいでおくか、専用のフタがあればかぶせて下さい。

まとめ

加熱が過ぎるとアタクシの失敗の時のように、プリンが全滅してしまうので、ちょっと手前でチェックしてね。全滅した時の精神的ショックはでかいです。

初めてのプリン作りは、「必ず失敗する」くらいの心構えで作った方が良いです。

自分が失敗したからって、みんなを道連れにしようとしている・・・。

型抜きする場合は、口に向かって末広がりなプリン型で作って、型からはずす時は型の内側に沿って先端の細いペティナイフなどを差し込んで1周ぐるっと回し、プリン本体と型の接触面を切り離してから、プリン型の口に小さな皿をかぶせてからひっくり返し、皿とプリン型を一緒に振って皿に移します。

さて、「ベーシックなプリンの基本配合」いかがだったでしょうか?牛乳と卵の配合比率を変化させて、自分好みの固さのプリンを作ってみてね〜。以上、終わり。

次回、第9回は、「至福のなめらかプリン」です。お楽しみに〜。

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