キャラメルとは
キャラメルと聞いて最初に思い浮かべるのは「森永のキャラメル 」とか「生キャラメル」でしょうか。加熱して茶色く溶かした砂糖に生クリームを加えて、型に流し固めたものをキャラメルと言います。今回のプリン作りでのキャラメルは、加熱して茶色く溶かした砂糖に、生クリームではなく「水」を加えたシンプルなものです。生クリームが入っても入らなくても「キャラメル」。こがした砂糖に水か生クリームを加えたもの。それがキャラメルです。
キャラメルは、変化の激しさや、あつかいの難しさから最初につまずくこと間違いなし!プリン作りの最初に立ちはだかる壁、それがキャラメル作りです。プリンにとって、なくてはならない存在のキャラメル。砂糖を焦がしただけなのに不思議な魅力を持つキャラメルの世界をのぞいてみましょう。
キャラメル作りの疑問
最初に水を入れた方がいいの?
キャラメルを作る時、グラニュー糖に”水を加えて”火にかける、という解説ばかり目にします。なぜ最初に水を加えて火にかけるのか?それはただただグラニュー糖を均一に焦がすという目的のためなのですが、確かに水を加えないよりは全体的に溶けますが、茶色く焦げるまでとにかく時間がかかります。
では水を入れずに、グラニュー糖だけで加熱した場合はどうなるのか。鍋を揺すったり傾けたりしながら加熱していけば問題なくできます。ちなみに、キャラメルが茶色く焦げる温度は170℃前後で、その温度になると、水分は1%近くになっています。水を入れても入れなくても170℃近い温度ではほとんど水分を含んでいないので、水を入れた分だけ水が蒸発する時間をただひたすら待つことになります。
結果が同じなら、時短でガス代も節約できた方が良いと思いますので、プリンのキャラメルでも、バナナキャラメリゼのキャラメルでも、最初の水入れはしなくても大丈夫。というのがアタクシの見解でございます。
それってあなたの個人的見解ですよね。それってあなたの主観ですよね。
・・・。
そのかわり、加熱中は鍋を揺すったり傾けたりして、色付いてきた部分と色付く前のグラニュー糖が混ざるようにしてください。水を入れていないことでの、焦げ方の偏りが、それなりにありますので。
あるんかいっ!
上白糖でもできる?
上白糖って、グラニュー糖の3分の2くらいの値段で買えるから、上白糖を使いたいんだけど。
お菓子作りに上白糖を使っても、なんの問題もありません。上白糖で作る場合は、まず固まっていることが多いので、使う前に押さえてつぶしておきましょう。もっと固まっている場合はストレーナーを通しましょう。もっとカチカチに固まっている場合は、愛の頭突きで粉砕してください。
愛の頭突き?いがぐり先生の?おじさんしかわからない昭和ネタぶっ混まないでね!
次に、上白糖はグラニュー糖よりも、焦げやすいので、ほんの少し水を入れます。
結局、水、入れるんかいっ!!
湿らせる程度。上白糖の5分の1くらいの水だよ。
あとは、なかなか均一に溶けてくれないし結晶化するし大変だけど、茶色く溶けてしまえば一緒なので、スプーンでグリグリ混ぜたりしながら気にせずいきましょう。また、焦げるスピードがグラニュー糖よりも早いので火加減に注意して焦がして下さい。
説明を聞いているうちに大変な気がしてきたんですけど。
そだね。
そだね。じゃね〜!
上白糖でキャラメル作りは難しいので、できればプリン液には上白糖を使い、キャラメルにはグラニュー糖を使ってほしいです。
先に言っとくれ!!
作ってみよう
グラニュー糖 | 50 |
水 | 7 |
水7gは、グラニュー糖を焦がした後で入れる水です。水はグラニュー糖の5分の1から7分の1の量で調整してね。今回は約7分の1です。この水を入れすぎるとキャラメルの水分量が増えて、保存に向かないべたべたしたキャラメルになってしまいます。すぐプリン型に流して、プリン作りに利用するなら問題ないです。アタクシの経験的には、グラニュー糖の「7分の1」の水がベスト!!
水と、スプーンと、型またはオーブンペーパーなどは、作る前に準備して手元に置いておきましょう。今回は練習のつもりでオーブンペーパーにスプーンでちょっとずつ流してみよう。大きめのスプーンを使って一円玉サイズ(直径2cm)に流す感じです。
このくらいの少量では、小さい鍋が作りやすいです。アタクシが使っているのはこんな鍋です。チャイの回でもこれを使っています。
理想の焦がし具合
理想的なキャラメルの焦がし色は、新鮮なお醤油の色です。薄い紅茶色のキャラメルでは、甘いだけのプリンになってしまいます。逆に、どす黒く焦がしてしまうと、焦げ臭だけのキャラメルになってしまいます。しかし、かなりしっかりとした苦味を感じる程度には焦がさないといけません。
どっちやねん。
思ったよりも焦がし気味。
というのは、プリンの甘さクリーミーさと、しっかりとした苦味の対比が美味しさの秘訣だからです。
泡と煙でなかなか色の判別が難しいけど、鍋を傾けながら色チェック。いい感じの焦げ茶色になったら水を入れる。2枚目と3枚目の写真は同じキャラメルです。上から見ると真っ黒に見えるけど、明かりに透かしてみると茶色く見える。
焦がしを止めるこの最後の水入れは、水を入れた瞬間にいっきに蒸気が上がります。鍋の上に手があると、確実に火傷します。これだけは火傷しないように充分気をつけて下さい。
水をいれたら、キャラメルが冷えて固くなるので10秒くらい火にかけたまま、温めてゆるめてから型に流してください。
ビビリなアタクシは、しっかりとした焦げ茶色になるまで我慢して焦がすということがなかなかできませんでした。
だってもくもく煙が上がってこわいんだもーん。
かわいくないよ、おっさん。
足りないとき
おうちで作る量のキャラメルが少量すぎて、型に流し終わる前に固まってしまったり、用意した型の数ぶん足りなかったりということもあります。
そんな時は、保存しておいたキャラメルを型に入れたり、キャラメルのかわりにジャムを入れたりしてみてはいかがでしょうか。
アメ玉いれちゃえば?
君の鼻の穴に入れてあげよう。
余ったとき
さっき練習でやったようにオーブンペーパーなどにスプーンで流して、固まったら密閉容器に入れて保存しましょう。ちょっと放置しておけばすぐに固まりますので固まったらすぐに容器に移して下さい。いつまでもおいておくと空気中の水分を吸ってベタベタしてきます。
オーブンペーパーは100均に売ってるよ。茶色いオーブンシートは洗って何度も使えるシート。ネットで購入しました。最近はダイソーに「シリコーンマット」というショートブレッドやマカロンでも紹介した素晴らしいシートが売っていますのでそれもオススメです。
たくさん作って保管しておいてもいいのですが、毎回作った方が練習にもなるのでおすすめです。
主婦にそんな暇ないっちゅーの。
保存方法
何度も作るのがめんどくさい方は、たくさん作って密閉容器に入れ、冷凍保存して下さい。
密閉容器にシリカゲル(乾燥剤)を入れて保存する方法はおすすめしません。キャラメルは吸湿性があるので、シリカゲルを入れたとしても何日かたつと、ぷよぷよの連鎖反応のごとき見事な連結を見せてくれます。保存するなら冷凍保存です。シリカゲルはいりません。冷凍保存なら水分の活性が抑えられているので、長期間ぷよ連鎖反応しない状態を保てます。ただしキャラメルを作るときに加える水が少しでも多いと、冷凍してもベタつきくっつきは免れません。あしからず。
以上、おわり。
次回、第4回は「注ぐ道具」編です。
お楽しみに〜。
第4回「注ぐ道具」
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