ベーキングパウダーとは?種類と性質をわかりやすく解説!おすすめ商品も紹介【お菓子作り初心者必見】

道具・材料

ベーキングパウダーとは

主に以下の三種類の複合剤です。

  • ガス発生剤 ・・炭酸水素ナトリウム(重曹)
  • 酸性剤 ・・様々な種類があり、ガス発生の温度やスピード、持続性、生地のphを調整する。
  • 遮断剤 ・・コーンスターチなどのデンプン。ガス発生剤と酸性剤が反応しないように配合。

水分が加わる事で、炭酸水素ナトリウムと酸性剤が反応して炭酸水素ナトリウムが分解され、二酸化炭素(炭酸ガス)を発生する。また、加熱によってガス発生が促進される。

炭酸水素ナトリウムの分解によって、炭酸ナトリウム、二酸化炭素、水、に分かれる。炭酸ナトリウムはアルカリ性で苦味があるが、酸性剤で中和され無味になる。

配合を変えることでガス発生のタイミングを変えることができ、用途によって様々な製品が存在する。

おもな酸性剤の種類と反応タイミング

酸性剤にはおもに、リン酸カルシウム(別名:第一リン酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム)、リン酸ナトリウム(別名:第一リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム)、酒石酸水素カリウム、ピロリン酸ナトリウム、グルコノデルタラクトン(別名:グルコノラクトン)、ミョウバン(別名:焼きミョウバン、硫酸アルミニウムカリウム)などがあります。

酒石酸水素カリウム、第一リン酸カルシウム、などが速効型の代表的な酸性剤・・常温から低温(100℃以下)でガスが発生する。→蒸し物、ホットケーキなど

ピロリン酸ナトリウム、グルコノデルタラクトンなどが遅効型の代表的な酸性剤・・低温から高温でガスが発生する。→マフィン、マドレーヌなど

速効型と遅効型の酸性剤が配合されている持続型(中間型)・・市販されている一般的なものに多い。→パウンドケーキなど

グルコノデルタラクトンは、天然の食品添加物。でん粉を原料として作られたもの。 ミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)の使用基準の変更により、多くの製品でグルコノデルタラクトンに代替えされています。

ベーキングパウダーのいろいろ

「ラムフォード」

真っ赤な容器が目印のアメリカ製のベーキングパウダー「ラムフォード」。

炭酸水素ナトリウム32%、第一リン酸カルシウム42%、コーンスターチ26%、というシンプルな配合。この潔さが好き。プラスチックのキャップが計量に使えて便利。

配合が速効型 寄りなので、ホットケーキにはこのベーキングパウダーがオススメ。

そんな気がする〜。

速効型の成分(モノカルシウムリン酸) を使っていて、水と混ざるとすぐ反応します。ラムフォードは「アルミ不使用」なので、アルミ系の遅効性の酸を含むベーキングパウダーに比べると、混ぜた直後にガスが多めに出るので、手早く焼く、素早くオーブンへ入れるのが大事 という性質があります。なので 寝かせる生地には不向きです。

「ニップンふっくらベーキングパウダー」

10g×3袋の個包装が使いやすい「ニップンふっくらベーキングパウダー」。

炭酸水素ナトリウム25%、グルコノデルタラクトン25%、第一リン酸カルシウム13%、酸性ピロリン酸ナトリウム10%、リンゴ酸3%、d-酒石酸水素カリウム2%、ステアリン酸カルシウム0.5%、食品素材21.5%

10gずつの個包装が使いやすいです。小分けになっているので、湿気で性能が落ちる心配がないのも嬉しい。

「日清ベーキングパウダー」

4g×8袋の少量個包装で無駄が出ない「日清ベーキングパウダー」。

炭酸水素ナトリウム26%、リン酸二水素ナトリウム17.4%、リン酸二水素カルシウム12.4%、グルコノデルタラクトン6.6%、L-酒石酸水素カリウム6%、リン酸一水素カルシウム1.6%、食品素材(でん粉)30%

4gという小分け包装です。

「アイコク ベーキングパウダー」

よくスーパーで見かけるベーキングパウダーといえばこれ。100gの缶入り「アイコク ベーキングパウダー」

炭酸水素ナトリウム25%、グルコノデルタラクトン18%、酸性ピロリン酸ナトリウム15%、第一リン酸カルシウム1%、d-酒石酸水素カリウム6%、ステアリン酸カルシウム1%、コーンスターチ25%

たくさん入ってお値段控えめでコスパがいいです。

その他

イスパタ・・・白く仕上げる和菓子の蒸し饅頭などに使用される膨張剤。イーストパウダーの略称みたいだけど、イースト(酵母菌)が入っているわけではないです。

炭酸水素ナトリウムと塩化アンモニウムの膨張剤で、炭酸ガスとアンモニアガスの2種類のガスを発生させ、ベーキングパウダーより生地を膨らませる力が強い。

まとめ

ベーキングパウダーの分類

  1. 速効型(そっこうがた)
    • 水分が加わるとすぐに反応して二酸化炭素を発生。
    • 生地を混ぜている段階でガスが抜けやすいので、すぐに焼く必要があります。
    • 例:酒石酸系など。
  2. 遅効型(ちこうがた)
    • 水分ではほとんど反応せず、加熱されて初めてガスを出す。
    • 生地をしばらく休ませても膨らむ力が失われにくい。
    • 例:リン酸塩系など。
  3. 持続型(じぞくがた)
    • 上記の 速効型 + 遅効型 を組み合わせたもの。
    • 混ぜたときに少し、加熱時にさらにガスを出すため、家庭用ベーキングパウダーの多くはこのタイプ。

「速効型、遅効型、持続型」というのは ベーキングパウダーの反応タイミングによる大まかな分類 で、その中にさらに「どんな酸を使ってガスの発生タイミングを調整するか」という細かい違いがあります。

市販の家庭用(特に日本のアルミ不使用タイプ)は、ほぼ「二重作用型(持続型)」です。

食品添加物恐怖症

その昔、食品添加物の本を読みあさり、添加物恐怖症のあまり買えるものがなくなってスーパーで立ち尽くしていた若かりし日のかわいそうなアタクシ。

その後遺症を引きずり、ベーキングパウダーにアルミが入っているのがよろしくないと、本で読んでからというものベーキングパウダーはラムフォードと決めて、こればかり使っていた時期がありました。

現在では、市販されているベーキングパウダーでアルミ(硫酸アルミニウムカリウム=焼ミョウバン)が使われているものは見かけなくなりましたので、安心していろいろなメーカーのを使っています。

パッケージに「アルミ不使用」とか「アルミフリー」とか「ミョウバンは使用しておりません」なんて記載があります。

昔はカタカナ横文字ばっかりで恐怖の食品添加物と恐れおののいていたけど、そんなビビり散らかしていた若かりし日が懐かしいです。適量を守って安心して使ってください。危険なものは入ってないよ。

と言いながら 今でもこんなん見て時々ビビり散らかしています。

心配症すぎて疲れる・・・。

最後に

富澤商店のサイトで会員登録して購入する場合は、6,400円 (税込) 以上のお支払いで送料無料(クール便手数料100円)です。cotta(コッタ)も同じく6,500円以上の購入で送料無料です。(金額は記載当時のものです。)

2025.1.2 追伸

2024年6月、大宮糧食工業株式会社と株式会社アイコクは合併し、株式会社大宮糧食(おおみや りょうしょく)となりました。ということで、こちらが株式会社大宮糧食のサイトです。

ベーキングパウダーの解説がとてもわかりやすいです。

専業なんだから、当たり前やがな〜。

もともと昭和34年に大宮糧食工業株式会社の販売部門を独立させ、愛国産業株式会社を設立する。(サイトの沿革より抜粋)とのことでした。

同じ会社だったのね。

「アイコク」の名前がインパクト強で板についちゃってるから残して欲しいな〜。

コメント

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